「みのわマック便り」(2025年4月号No.375号)より、「自立」を意識した利用者Y.Kさんのお話をご紹介します。
私は現在、アパートを借りそこで生活しています。これはマックをはじめ、支えてくれた方々のおかげです。ありがとうございます。
去年の秋くらいから、年明け1月から不動産へ行って2月中に引っ越しと、計画を立てていました。自分の中では余裕を持ったつもりでしたが、ギリギリになりました。それは物件を探すのではなく、良い不動産屋を探すんだという施設長の言葉から始まりました。何件もまわり、仲間の助言やネットの情報、不動産屋の話、それを踏まえてやっと見つけることができました。
決まるまで気が気ではなかったです。審査落ちしたり、連絡が来なかったり職員さんから茶々入れられたりと。焦りや怒り、もう何でもいいやとか、家が見つからなかったらどうしようと不安になるときもありましたが、先ゆく仲間に相談したり12ステップを思い出し、使うことでしらふで乗り切ることができました。
サテライト生活で一人暮らしを半年ほどしていたため、ある程度の生活基盤はできていたので不安はありませんでした。とにかくAA(特にホームG)ミーティングへ通いやすい立地、AA帰りでも開いているスーパーが近くにあることそれが条件で決めました。
あるオールドタイマーの仲間のことばで「住まいと思うな、寝るところと思え」というのがずっと私を後押ししてくれ余計な条件を付けることをせずに済みました。回復の入り口の準備の一歩を出そうとしている私には今の家は大変気に入っています。体力精神力は必要でしたがそれはマックプログラムで身に着けたものが大いに役立ちました。
飲まない人生を今、私は想像できます。2年前はできませんでした。その未来にはいつもハイヤーパワーと仲間が共にいます。引っ越しをし卒業を目前とした今、この感覚は非常に心地よく明るいものです。もう2度と酒でいろいろなものを失いたくありません。家や環境が変わっても「今日一日」を大切に生きていきます。
これからも共に歩ませてください。
1978年6月、日本で初めて12ステッププログラムを使って依存症者の回復と成長をサポートするアルコール等依存症者リハビリテーションデイケア施設「三ノ輪MAC」として発足しました。設立者もアルコール依存症者の当事者であり、当事者による当事者へのサポートを大切にしてきました。現在も代表理事やスタッフなど、多くのスタッフは、依存症の当事者が勤めています。