北九州マック便り(第52号、2026年1月発行)に掲載された当事者の経験談を、一部ご紹介します。逮捕や依存の問題を経て北九州マックにつながり、仲間やスタッフに支えられながら回復に向かって歩んできた過程が、本人の言葉で語られています。
私は2023年の4月に窃盗で逮捕され、当時の主治医に「北九州マックに行かなければ間違いなく刑務所にいく」と言われ、仕方なく通所することになったのです。
私の最初の依存はアルコールでした。10代の頃から毎日切れることなく飲み続け、37歳の頃精神病院に初めて入院しました。連続飲酒にはいり、幻視・幻聴がひどく、下着姿で近所を徘徊(はいかい)していたところを警察に通報され、(覚えていないのですが)気が付くと病院の隔離室でした。3度の入退院を繰り返し、「意志の力での断酒」を決めましたが、自分の問題など全くわかっておらず、すぐに摂食障害、食べ吐きに移行しました。痩せすぎてうつ病になり、入院を勧められましたが、嫌すぎて、得意の「自分で治す」を盾にしてギリギリの体重を維持して逃げる事に成功しました。
そんな中、B型作業所に通所するようになり、仕事のストレスで並行して万引をするようになりました。何気に自分の使っている化粧品を買うつもりで手にし、ふと「これ、取れるわ」と思い懐に入れたのが始まりでした。摂食障害だと食べ物を盗むと言われますが、私は同じ化粧品を何個も盗み、大量に部屋の押し入れにため込み、一定の量になると怖くなって捨てるという行為を繰り返していました。逮捕されたのは常習していた大手ドラッグストアでした。被害届が出されていたようで、万引してお店を出ると複数の警察官に囲まれました。「何したかわかっとるよね?」と聞かれ、言い逃れようとしましたが、すぐに「もう無理だ」と認めました。逃げ続けた挙げ句の当然の帰結だと思いました。
スタッフの皆さま、仲間に助けていただき、12ステッププログラムに取り組ませていただき、少しずつではありますが、「自分の問題」に向き合えるようになったのでは、と思っております。おこがましいですが。これからも自分ができることを見つけ、成長・回復していきたいと思います。ありがとうございました。
(K.S)
【参考】12ステッププログラムとはジャパンマックでは、アメリカで生まれた12ステッププログラムの活用と共同生活での学びを軸に、依存物質・依存行為に頼らない生活を取り戻すための支援を行っています。プログラムへの継続的な取り組みを通じて、自分自身や周囲との関係が変わり、回復の過程で社会生活を再建していった利用者が多くいます。 参考文献:ジャパンマック福岡の回復支援 |
北九州マック開設準備会を中心とする多くの理解者の支援を受け、2012年6月に北九州マック(地域活動支援センター)が開設されました。その後、14年4月にクロップハウス(共同生活援助)、24年1月に北九州マックネクスト(自立訓練〈生活訓練〉)の事業所が開設されました。