みのわマックだより今昔③ 2018年7~9月号を読み返して

「みのわマックだより今昔」は、過去の「みのわマックだより」を振り返りながら、当時のみのわマックの様子や、そこから見えてくる「変わらないもの」をご紹介するシリーズです。

前回は、2018年4月から6月までの会報を読み返しました。そこでは、仲間に支えられた人が今度は誰かを支える側になっていく姿や、仲間同士で経験を分かち合うことの大切さが見えてきました。

今回は、2018年7月から9月までの3冊です。

みのわマック便り2018年7月号
みのわマック便り2018年8月号
みのわマック便り2018年9月号

夏から秋へと季節が移るこの3か月の会報を読んでいると、これまで見てきた「仲間とともに回復する」という姿が、さらに外へと広がっていく様子が感じられます。

バーベキューから見えてくる「変化」

7月号では、前月に続いて「みのわマックを支える会」主催のバーベキュー交流会に参加した仲間たちの感想が掲載されています。参加者は100人を超えたとのことで、川崎マックの仲間と一緒にカレーを作ったという人もいました。最後にはミーティングを行い、分かち合いと握手で一日を終えています。

この号で面白いのは、同じバーベキューでも、参加した人によって感じ方が大きく違うことです。

初めて参加した人は緊張し、何をすればよいのか分からなかった経験を語っています。一方、3回目の参加者からは、以前ほど緊張しなくなり、イベントの流れも分かってきたという感想がありました。

さらに、3回目のバーベキューを迎えた別の仲間は、最初は「行きたくない」と思っていたところから、回を重ねるうちに新しい仲間への気配りができるようになり、ミーティングの司会まで経験するようになったと振り返っています。そして最後には、仲間に支えられていることへの感謝を伝えることができたと語っています。

同じ行事を何度も経験することが、単なる「恒例行事」ではなく、一人ひとりの変化を確かめる機会にもなっていたことが分かります。

みのわマックを外から見ると

8月号では、少し違った視点からみのわマックが紹介されています。

この号に掲載されているのは、5月に行われた東京医科歯科大学医学部医学科の学生による施設見学の感想文です。

学生たちは、見学する前には「強い意思があればアルコールをコントロールできるのではないか」と考えていたものの、ミーティングを実際に見学し、依存症についての考え方が変わったことを率直に書いています。また、施設長の話や仲間の分かち合いを通して、依存症を決して他人事として考えられなくなったという感想もありました。

さらに、12ステップや「生きづらさ」について考えた学生の文章も掲載されています。依存症を特別な人だけの問題として捉えるのではなく、自分自身の中にもある「生きづらさ」と結びつけて考えていることが印象的です。

会報の中で仲間の体験を伝えるだけでなく、みのわマックを初めて見た人が何を感じたのかを、そのまま掲載している。

ここには、みのわマックの活動を外の人にも知ってもらおうとする姿勢が感じられます。

40周年という大きな節目

そして9月号では、6月に行われた「みのわマック40周年感謝の集い」の感想が掲載されています。

この記念大会では、歌や踊り、映像、施設紹介など、さまざまな企画が行われました。

しかし、会報を読んでいて印象に残るのは、華やかなイベントそのものよりも、そこに参加した仲間一人ひとりの変化です。

人前で歌ったり踊ったりすることに強い抵抗を感じていた人が、仲間と練習する中で本番を迎えています。不安を一人で抱え込まず、ミーティングで話すことで仲間から支えてもらい、最後までやり遂げたという実行委員の体験も掲載されています。

また、全国からマックの仲間が集まり、それぞれの施設を紹介する機会にもなりました。地方から来た仲間との交流を通して、自分たちが置かれている環境を改めて考えたという感想もあります。

40周年という節目が、単に「昔を振り返る記念行事」ではなく、現在の仲間が新しい経験をする場にもなっていたことが分かります。

今読み返して感じること

2018年7月から9月までの3冊を並べてみると、興味深い流れが見えてきます。

7月号では、仲間同士の交流の中で、一人ひとりの変化が語られていました。

8月号では、その活動を外から見た学生たちが、自分たちの依存症への理解を問い直しています。

そして9月号では、全国から仲間が集まる40周年という大きな舞台を通して、みのわマックの40年間の歩みが振り返られています。

つまりこの3冊には、

仲間の中で経験する。
その経験を外へ伝える。
そして、これまでの歩みを次の世代へつないでいく。

という流れがあるように思います。

40周年という大きな節目を迎えた2018年のみのわマックですが、会報を読んでいると、「40年の歴史」をただ誇るというより、今ここにいる一人ひとりが、その歴史の続きを作っているという印象を受けます。

バーベキューで初めて人前に出た人も、学生として初めて依存症について考えた人も、40周年の舞台に立った人も、それぞれが自分の経験を重ねています。

そして、その経験が会報に記録され、次の仲間へと伝えられていきます。

8年前の「みのわマックだより」を読み返して感じるのは、みのわマックの歴史とは、年表に並ぶ出来事だけではなく、そこに関わった一人ひとりの小さな変化の積み重ねなのかもしれないということです。

次回は、2018年10月から12月までの「みのわマックだより」を読み返します。