みのわマックだより今昔④ 2018年10月号を読み返して


「みのわマックだより今昔」は、過去の「みのわマックだより」を振り返りながら、当時のみのわマックの様子や、そこから見えてくる「変わらないもの」をご紹介するシリーズです。

今回は、2018年10月号を読み返します。

10月号の中心になっているのは、8月6日から8日に行われた江の島での夏季研修です。会報には、参加した仲間たちの感想文がたくさん掲載されています。

海水浴、バーベキュー、鎌倉散策、食事当番、そしてミーティング。

一見すると、夏の楽しい旅行の記録です。

しかし、一人ひとりの感想を読んでいくと、それだけではないことが分かります。

みのわマック便り2018年10月号

「酒なしでも楽しい」という経験

ある仲間は、海に行くことそのものに抵抗を感じながら参加しました。

しかし、仲間と一緒に海へ行き、バーベキューをし、ミーティングを行い、翌日は鎌倉を観光する中で、最後には「みんなそれぞれ良い物を感じた」と振り返っています。また、今回の旅行が、施設や福祉、OBなど、さまざまな人の協力によって成り立っていたことにも気づいています。

別の仲間は、約20年ぶりに海水浴を経験しました。

周囲にはお酒を飲んでいる人もいましたが、声をかけられるまで気づかなかったといいます。そして、子どもの頃のように、素直に「楽しい」という気持ちで泳いだり、はしゃいだりしたことを振り返っています。

また、別の仲間は、初めての参加で不安を抱えていたものの、海水浴やバーベキュー、鎌倉散策を楽しみ、食事当番も経験しました。

そして、

「酒を使わなくても楽しい事があるのだと実感できました。」

と書いています。

これは、この合宿の意味をよく表している言葉ではないでしょうか。

「飲まないために何かを我慢する」のではなく、「飲まなくても楽しい時間がある」ことを、実際の生活の中で経験する。

江の島での3日間は、そのことを体験する場でもあったようです。

仲間と一緒にいることから、自立へ

この合宿では、仲間とのつながりだけでなく、そこから生まれる変化についても語られています。

これまで仲間と共に行動していた自分が、この合宿中に初めて一人で夜を過ごし、翌日は仕事へ向かったという仲間がいました。

彼は、時間とともに「自立の行動への変化」を強く感じたと振り返っています。

2度目の江の島合宿で、参加者の半数近くが入れ替わっていることに気づいた仲間もいます。

彼は、仲間と寝食を共にし、雑談を楽しんだことを「この夏一番の思い出」と振り返り、教会の方、支える会、職員、仲間への感謝を記しています。

さらに、「仲間と行動することへの抵抗がなくなった」だけでなく、「仲間と行動することが楽しくなってきた」と語る仲間もいます。

今読み返して感じること

2018年10月号を読んでいて感じるのは、「仲間と一緒にいること」が、それ自体で回復の一部になっているということです。

海へ行く。

一緒に食事を作る。

バーベキューをする。

観光する。

そして、最後にはミーティングでその日の経験を分かち合う。

その一つひとつは、特別なプログラムには見えないかもしれません。

けれど、その中で「飲まなくても楽しい」と感じたり、「人と一緒に行動することが楽しくなった」と気づいたり、「自分も少し自立できた」と感じたりする。

日常とは少し違う場所で仲間と過ごすことが、一人ひとりの小さな変化を生み出していた。

10月号に掲載されたたくさんの感想文からは、そんなことが伝わってきます。

そして、これらの経験を「みのわマックだより」に書き残していることにも意味があります。

その時には本人にとって一度きりの夏の思い出だったとしても、会報に残ることで、後から読む人にもその経験が伝わります。

2018年の江の島合宿から8年。

海や鎌倉の景色は今も変わらないでしょう。

しかし、この会報を読み返すと、そこにいた仲間たちにとっては、「飲まないで過ごすこと」「仲間と過ごすこと」「自分自身が変わっていくこと」を実感する、大切な3日間だったことが分かります。

次回は、2018年11月号を読み返します。そこでは、みのわマックの歴史を語るうえで欠かすことのできない、一人の人物が登場します。