hs - オハナ

Women's Adiction support center
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メッセージ
 こんにちは。アルコール依存のHです。AA式に言わせていただきます。
 今こちらで皆さんのお話を聞きながら、ホントにいろんなことが思い浮かべられて、何から話していいかわからないんですけど。
 Kさんの方から7月にご連絡を頂いて、入院していて「会いたい」って仰ってますから、っていう事でね。それで10日伺って、お目にかかったんですね。頭が本当にクリアで、喋り方もほとんど元気な頃とお変わりないんだけれども、ただベッドにいて、酸素マスクを着けてていらっしゃるんですね。でも話をしてると「ああ、Sさんなんだ」と思って。弱ったところがなくて、ただ、やっぱり大変だ…っていう風な感じの。マスクを外しながらの話だから、込み入った話はできないんですよね。私が今思うと「キツイこと言ったのかなぁ」と思うんですけど、「Sさん、もうひと頑張りですね」って言ったのね…。そうしたらSさんが「そう、もうひと頑張りね」って、こう仰ったのね。何を察してもう「ひと頑張り」って私言ったかどうか自分でも思わないんですけども、そんな会話が最後になって。あとは亡くなられたお話を聞いたときに、まあ、私は今、訪問介護の仕事をしてまして、色んな方をみてるので「ああ…」って気持ちもどこかにあったんだと思うんですね。
 で、もともとは先ほどお話に出てた、S施設っていう所で、初めてSさんにお会いしたんですね。まだ50代位かな…まあ、3人か4人、スタッフとか司会の方が来ていて、その時の話で。私、ある医療の先生にお電話して、アルコールと薬の事を相談したら、その方が、たぶんK病院だったからN先生かなぁ、って思ってるんですけれども。「日本にはAAってもんがまだ無くてね」って仰ったそうなんですね。それをミーティングで話してて。私は、自分の病気のことも、AAのことも何にも知らないままそこに出て、その話を聞いた時に「フンッ」てやっぱり思ったんですね。それから何回かの司会の後に、やっぱりお話の中で、その時のご自分の家庭の事をお話しなったんです。それを聞きながら「えー、そんな酷い大変なことがあっても飲まないでいられるの」って思いましてね、「もしかしたら何か凄いものがあるのかなぁ」って思ったんですよね。
 で、仕事に就かして頂いて、4・5をやるように…やったら、って提案が職員の方からあった時に「同時にスポンサーを決めたらどうですか」って言われたんですね。自分の中ではやっぱり、当時私も子供を育てたり、家庭をやったりしながらのAAでしたから、同じような方に、って思ったんですよね。こんなことを言うとすごい高慢なんだけれど、Mさんにお願いすると、Mさん優しいんですよね。私、優しい方には甘えちゃうんですよね。だからもしかしたら「甘いプログラムかもしれないなぁ」っていう感じがあったんですね。あの、Sさんの、なんて言うんでしょう、今思うと筋がキューンと通ってるようなカタさ?硬質な部分が、私にはあったんだと思うんですよ。それでH市の火曜日のミーティング場で、ミーティングが終わった時に、その時も丁度、そのミーティング場のチェアマンを…私まだ何ヶ月かしら、一時にこう任されて、やらせて頂いてましたけど。その時に、最後の最後まで片付けに付き合って、あの重い大きな机やなんかも一緒に片付けて、戸締りの最後までいて下さったのがSさんだったんですね。「ああ、こういう風に最後までいてくれるんだあ」って。早く来てくれたのもSさんだったと思いますし。「ああそうなんだ」って何もわからないままに思ってたんですね。そしてその時に、そこのミーティングが終わった後に「実は、スポンサーをお願いしたいんですけど」って。なんだか、スポンサーなんてのも分からないし、「人にモノをお願いする」っていう事自体が殆んど経験のないことだったんで。あの、とにかく言ったら「はい分かりました」ってすぐお返事をされて、ホッとしたのを覚えてますね。
 それで4・5をやらせて頂いて、たぶん1年前だったと思うんですけど。その時に初めてですよね、やっぱり自分の話を、私、親がいるんだけども、母親にもあんまり打ち解けないような子供だったんですね。母の事は好きだったんだけれど、恐さもあって…。で、Sさんに自分の生い立ちからの話しかできなかったんだけど、一回目はね。その時に初めていろんな自分の話をできたんですね、人に。要するに他の人に対してね。それが初めてだったんだけど、その後によく言われたのが「あなたは口の上から書いてるような人ね」っていうね。今思えば、ああ、「そういう事を仰ったのか」「この事を仰ったのか」って思い当たるだけど。なんていうのかしら、わかんなかったですね、自分ではね。で、それから始まって、今までにずっと39年以上のお付き合いを頂いてね。ほんとにあの、色んな事がいっぱいあるんですよ、ホントに。
 一緒にお芝居に行きたくて「お芝居に一緒に行ってくれませんか?」って言って、この間亡くなった平幹次朗だとかね、それから森光子の女なんだっけ?なんかを一緒に観て頂いたりね。それで、食べることがとっても好きな方だったから、「ちょっとご相談したいことがあるんです」って言うと、一番最初はビックリしたんですよ、「はいわかりました、お食事をしながら」って言うんで「へー相談するのに食事をするわけね」っていうね。それもステーキの好きな方だったから、よく「ステーキを食べながら」って言うんですね。Mさんもステーキが、よくホテルのレストランに連れて行って下さって。やっぱりちゃんと食べて「こういう事も覚えていかなきゃダメだ」って仰ってましたよ…。ってこう言われてね「あ、そういうもんなのかぁ」って思って、まぁステーキを食べながらいろんなことを相談して…。相談というよりも話を聞いて頂く、っていう感じだったんですね、私の方はね。で、それを聞いて頂いて、最後に一言二言話す。Sさんのお話が「えー、なんでこんなことがよくわかるんだろう」ってビックリするんですね。難しい言葉で言えば、いわば核心をついた洞察力って言うんですか、物事を見抜く目って言うんですか。それがね、やっぱり深いんですよ。それで私凄くビックリして「すごい人なんだなぁ」って。
 先程もちょっと仲間と一緒に話しながらこちらに伺ったんだけど、一言で言えば「凄い人だったよねぇ」っていうね、それが一番なんですね。で、私は自分の家庭の問題で色々すったもんだあって、しょっちゅう電話してたら、「ちょっと電話がすぎますから今度はもうちょっと減らしてください」って言われてね。それで「もう、するもんか」って中毒者特有のあれですよね。そうすると、しばらく会ってたら「中毒者って嫌ですね。『電話が多過ぎますよ』って言うと全然今度はしてこないんだから」て言われて「どっちがどっちなんだ」という事でね、まだそんな自分だったんです。
 で、ただ10年位に私、グループをO市の方に移させていただいたんです。ま、その時もすったもんだあったんですけど、それを話すと一日掛かっちゃうので、それを端折って、それからまた違う関係ができたんですけどね。よくSさんがお話になってたのが、話を聞きながら、私がイメージしたのは、M神父がこちらにAAのプログラムを持ってきて、あちらに帰られる時は「すごく慌てた」と。でも種をまいて、要するに、一本の大きな木をここで育てて、それが根を張って、枝葉が伸びて、っていう話を何かの時にされて「ああ私は前のグループから別のグループに移って、そこで根を張るようにしていこう」って思ったんですね。ただ、やっぱりまだ本当に危うい自分でしたから、大体1ヶ月に1回か2回はSさんに会って頂いて。
 あの頃はM市にお住まいだったんですけどね、やっぱり美味しい物を食べながら、その養分を貰いに行ってたんですね。彼女は、通ってきたAAの中での姿とか想いをね、どこでどうっていうんじゃないけれど、お話の端々に「あ、そうか…そういう事なのか」っていう風に思うようなお話をいつもお土産に貰いながら、ずっと続けさせて頂いたんですね。だから、私が今あるのは本当にSさんのお陰なんですよ。
 で、たぶん50代か60代位の頃、70歳ぐらいかな、今の私も古希を迎えて70歳になるんですけど、まぁ、あんまり秘密にしておいてほしいんですけど。そこで「人生って自由よね」って楽しそうに仰るのね…。とっても楽しそうだったです、ダンスもして。なんか見せて貰いに行きましたけどね。「え、これSさん?」つけまつげして、ビッと濃い化粧をして。もう凄い肩の開いたドレスでフワッとした高いヒールを履いてね、ワンズだったか「****よ、今度は」とかね。「ドレスを一緒に選びに行って」とかね、言われて行って「Sさんはこういう色が似合いますよ」とかね。それがAAの中で見る彼女とは別の姿で、本当に生き生きと人生を楽しんでいる。飲まない人生・使わない人生を楽しんでいる姿を見せて頂いたのがね。やっぱり私も「ああ人生って、中毒者だけどそうやって生きられるんだ」っていうのを貰ってね、やっぱり良いにつけ悪いにつけ、色んなものを見せて頂きました。最後の最後には、あー本当に…なんて言ったらいいか、こういう事を言ったら、Sさん怒らないで下さいね。一つの終わり方…、上手な…、っていうんじゃないんでしょうけれども、Sさんらしい、天晴だった終わり方を見せて頂いて、今こんなことを言ったら「なにをいってんのよHさん」って怒られそうですけど。でもいずれ、あちらでお会いするまで、暫くの間また宜しくお願いします。ありがとうございました。


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