依存症の背景には、発達特性や生きづらさが関わる場合があります。「本人の意志の問題」として片づけられがちな依存症を、当事者を取り巻く環境や特性とともに理解するために何が必要なのでしょうか。発達障害啓発週間に考えます。
毎年4月2日は、国連が定めた「世界自閉症啓発デー」です。日本ではこの日から8日までを「発達障害啓発週間」とし、自閉症をはじめとする発達障害への理解を広げる取り組みが続けられています※1。
依存症の背景には、飲酒習慣や性格の問題だけでは片づけられない、生きづらさや発達特性が関わる場合があります。社会の中でうまく適応できない苦しさを抱えたまま、アルコールやギャンブルへ向かってしまうことがあるのです。
ジャパンマックの前代表・岡田昌之氏は、自らの体験を語った記事の中で、アルコールとギャンブルにのめり込んだ背景にADHDがあったことを明かしています。高校進学後に状況が変わり、やめたくてもやめられない依存症の問題が始まったと振り返っています※2。これは一個人の体験ですが、発達特性と依存症が重なる場合があることを示す例として挙げておきます。
依存症の問題は、本人の努力だけで解決できるものではありません。回復支援の原点をつくったジャン・ミニー神父は、やり方を先に決めて人を当てはめるのではなく、その人が回復するために何が必要かを考えることが欠かせない、という趣旨を述べています※3。
ジャパンマックは、多様な依存症に向き合い、孤立しない社会を目指して支援を行ってきました。依存症のあり方は時代とともに変化しており、支援が届かないまま苦しむ人が取り残されることがあります。
依存症を「本人の問題」として切り離すのではなく、生きづらさを含めて理解し、孤立させないことが、求められる支援の視点だと考えます。
【脚注】
※1 世界自閉症啓発デー日本実行委員会「自閉症について」。日本では毎年4月2日から8日までを「発達障害啓発週間」とし、自閉症など発達障害への理解を広げる取り組みが進められています。
※2 岡田昌之「アルコールとギャンブルにのめり込んだ日々――ADHD、そして依存症に向き合う」、ジャパンマック公式サイト(2025年2月26日)。執筆当時の肩書きは代表。
※3 みのわマックを支える会企画委員会編集部(編)『ジャン・ミニーの12ステップ』(2020年)、特定非営利活動法人ジャパンマック、103ページ。
アルコールなどの依存症は、自分の意思とは関係なく依存が形成される病気です。習慣的な要因によるもので、誰にでも陥るリスクがあります。1978年設立の依存症回復支援を行う特定非営利活動法人。当事者と専門職スタッフの協働による回復支援を通じて、アルコール、薬物、ギャンブル、ネット・ゲームなど、さまざまな依存症からの回復を支援する施設を全国に展開しています。
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