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【前編】病院の薬だから安心? 処方薬・市販薬への依存を考える

処方薬・市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)や依存症は、違法薬物とは異なる「治療目的」から始まるため、問題が見えにくい特徴があります。「薬がやめられない」のは意志の弱さではなく、脳の病気。依存症回復支援NPOジャパンマックが、薬物依存からの回復方法と相談窓口について解説します。【前編:本人向け】

 「眠れないから」「不安で仕方がないから」と飲み始めた薬が、いつの間にか手放せなくなっていませんか?

 最近、日本でも病院で処方される薬や、薬局で買える市販薬への依存が急速に広がっています。これらは違法な薬物とは異なり「治療のため」という入り口があるため、問題が見えにくくなる傾向があります。

 今日は、私たちジャパンマックが考える「処方薬・市販薬への依存」についてお話しします。

「違法じゃない」からこその落とし穴

 「薬物依存」と聞くと、覚せい剤などの違法なドラッグをイメージする方が多いかもしれません。しかし、依存の対象はそれだけではありません。

 咳止めや鎮痛解熱剤、安定剤や睡眠薬など、私たちの身近にある薬への依存が増えています。これらは「病院で出されているから」「薬局で売っているから」と安心して使用しているうちに、気づけば依存してしまうことがあります。これを「医原性(いげんせい)」の依存と呼び、社会問題にもなっています。

 違法な薬物とは違い、安価で手に入りやすく、周囲からも「治療のため」と見なされやすいため、問題が深刻化するまで気づきにくいという難しさがあります。

意志が弱いからやめられないのではありません

「量を減らしたいのに、つい飲んでしまう」
「薬がないと不安で、あちこちの病院を回ってしまう」

 そんな状態にあっても、自分を責めないでください。

 薬物依存症は、薬物に心がとらわれ、自分の意志では使用をコントロールできなくなった状態です。依存に至るリスクは体質や状況によって異なりますが、一度依存症になると、進行のプロセスは驚くほど共通しています。

 それは、薬物依存が意志や性格の問題ではなく、脳の病気だからです。誰にでも起こりうることなのです。

薬に頼らない生き方へ

 私たちジャパンマックでは、アルコールだけでなく、薬物依存の問題を持つ仲間も共に回復プログラムに取り組んでいます。

 薬物依存からの回復とは、単に薬をやめることだけではありません。薬に頼らない生き方(クリーン)を手に入れ、バランスの取れた生活を送ることです。

 薬に頼ってしまう背景には、生きづらさや孤独感があることが少なくありません。回復支援施設や自助グループは、同じ悩みを持つ仲間と出会い、経験と希望を分かち合う「安心の場」です。一人で抱え込まず、正直な気持ちを話せる場所を持つことが、回復への第一歩です。

 ジャパンマックでは「12ステップ・プログラム」などを通じ、薬に頼らない新しい生き方を練習します。仲間と一緒に、焦らず、一日一日を積み重ねていくことが大切です。

→後編では、ご家族の方へ向けて、依存症の方をどう支えるか、どこに相談すればよいかをお伝えします。

参考文献

・特定非営利活動法人ジャパンマック.”依存症とは?”.ジャパンマック公式サイト.(参照 2026年01月29日)
・特定非営利活動法人ジャパンマック「依存症者家族教室モデルテキストⅠ」特定非営利活動法人ジャパンマック 2014年
・井上茂「全国マック協議会とマックグループの活動」全国マック協議会 2015年