久里浜医療センターの最新調査で、10代・20代の約6%にSNSの「病的使用」が疑われることが明らかになりました。スマートフォンとSNSが日常に溶け込んだ今、見過ごせない数字です。
独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターが令和6年度事業として実施し、令和7年(2025年)1〜2月に行った全国調査が、2026年に公表されました。
同調査によると、10代・20代(10〜29歳)の約6%に、SNSの「病的使用」が疑われることが示されています。特に10代では、男性7.1%、女性7.0%と高い割合を示しており、30代以上の世代(0〜1%台)と比べて突出しています。
報告書は、SNSの病的使用の有無をオランダで開発されたSocial Media Disorder Scale(SMDS)の日本語版で測定しています。ここでいう「病的使用」とは、単に長時間使うことではありません。「SNSを使えないとイライラする」「嫌な気持ちから逃れるためにSNSを使う」といった項目が複数あてはまり、自分でコントロールできない状態が続いていることを意味します。
この状態にある人たちへの影響も、調査から浮かび上がっています。SNSの病的使用が疑われる人のうち27%が、「SNSの使い方をめぐって家族に暴言を吐いたり、暴力を振るったりした経験がある」と回答しています。4人に1人強が、家族との関係の中で暴言・暴力というかたちのトラブルを経験している計算です。スマホやSNSをめぐる問題が、本人の生活リズムだけでなく、家族関係にも深刻な影を落としている実態が、数字として示されています。
インターネット全般でも、6年前から倍増
また同調査では、SNSに限らないインターネット全般の病的使用についても調査しています。測定に用いたDQ(Diagnostic Questionnaire)は、インターネットの使いすぎによる日常生活や心の健康への影響を確認するための質問リストで、「はい」か「いいえ」で答える形式です。この指標で疑いありと判定された10代・20代の割合は14.5%に上り、6年前の同様の調査(6.2%)と比べると有意に増加しています。ゲーム行動症についても若年層での割合が高まっており、デジタルメディアへの接触機会の低年齢化が、その一因と報告書は指摘しています。
スマホが「依存の入り口」になるリスク
さらに報告書は、ゲーム行動症やインターネット・SNSの病的使用が疑われる人では、ギャンブル問題や飲酒問題を抱える人の割合も高い傾向を示しています。スマホがさまざまな依存行動への入り口になり得るという懸念は、こうしたデータにも裏付けられています。最初は「暇つぶし」のつもりでも、気づけば毎日何時間もスマホを手放せなくなり、やめたくてもやめられない状態に陥ることがあります。学校や仕事、人間関係に支障が出ていても、本人には自覚しにくい。その危険は、誰にとっても他人事とは言えません。
スマホやSNSは便利で楽しく、生活を豊かにするツールです。問題なのは「使うこと」ではなく、「気づかないうちに使われすぎてしまうこと」です。自分では「ちょっと多いかも」程度にしか感じていなくても、周囲から見ると明らかに生活に支障が出ている、ということも少なくありません。家族や身近な人が「最近、前よりスマホばかり見ていない?」「夜遅くまでSNSやゲームで寝不足になっていない?」と声をかけることが、予防の一歩になることがあります。
ジャパンマックでは、アルコールやギャンブルなど従来の依存症だけでなく、こうしたデジタル時代特有のこころの健康の問題についても、専門的な視点から情報を発信しています。「スマホやSNS、ゲームとの付き合い方が気になる」「家族の様子が心配だ」と感じたときは、早めに専門機関や相談窓口に相談することも選択肢の一つです。
(参考:独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター「ネット・ゲーム使用と生活習慣に関する実態調査(2024)」令和6年度 依存症に関する調査研究事業 令和7年度研究報告書)
アルコールなどの依存症は、自分の意思とは関係なく依存が形成される病気です。習慣的な要因によるもので、誰にでも陥るリスクがあります。1978年設立の依存症回復支援を行う特定非営利活動法人。当事者と専門職スタッフの協働による回復支援を通じて、アルコール、薬物、ギャンブル、ネット・ゲームなど、さまざまな依存症からの回復を支援する施設を全国に展開しています。
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