依存症は誰にでも起こり得る脳の病気です。「意思が弱いから」という誤解は、当事者を孤立させ、支援の機会を遠ざけます。依存症はどのように始まり、どう回復へ向かうのか。厚生労働省の啓発資料「依存症って?」(※1)と報道事例をもとに考えます。
依存症は、アルコールやギャンブルなどの特定の物質や行為を「やめたくても、やめられない」状態です。繰り返しの使用や行為によって脳の報酬系回路が刺激され、コントロールが困難になる病気として進行していきます。
ストレスや孤立、アクセスの容易さなどの環境要因が重なると頻度が上がり、「自分は大丈夫」といった否認も生じやすくなります。依存症になると、脳の機能変化、生活の乱れ、体や心の不調が重なり、本人を責める声や自己嫌悪がさらに依存を加速させる悪循環に陥ります。
大手テレビメディアの元社員がオンラインカジノにのめり込み、借入を重ねたと報じられました。賭けた総額は約6億円、借金は2000万円近くに上ったとされます(※2)。
社内調査では「現在はやっていない」と虚偽の報告をし、母親に借金する際も事実を隠すなど、家族や職場への説明が遅れ、信用の喪失が連鎖しました。本人は「自分は依存症とは違う」「いつでもやめられる」と考えていましたが、これは依存症に特有の否認という症状です。
依存症は誰でもなり得る病気ですが、回復も見込めます。依存行為をやめ続けるためには、医療と回復支援プログラム、家族支援、自助グループなどが継続的に併走することが重要です。家族ができることは限られており、専門家とつながることが求められます。また、職場では治療継続を後押しする仕組みの検討が望まれます。

画像:厚生労働省「依存症って?」より
出典:
※1 厚生労働省「依存症って?」 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001297557.pdf (啓発資料、2024年9月)
※2 日本経済新聞 2025年10月17日「オンラインカジノに6億円 元フジテレビ社員、生涯続く依存症治療」
イラスト出典 厚生労働省「依存症って?」より (厚生労働省ウェブサイト掲載資料を加工して作成)
経済的、物質的にも豊かな国であるはずの日本にも、依存症に苦しみ、人生や家庭をだいなしにしてしまっている人がまだ多くいます。正しい知識と対処方法を広めることで、依存症により人生を失う人をゼロにするという私たちジャパンマックの活動を、どうか応援してください。