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ビッグブック雑感 「再版にあたって-AA小史」/岡田代表コラム

ビッグブックは、AAの歴史と回復のプロセスを記した重要な書籍です。「再版にあたって-P(19)L1」という章は、AAの誕生と発展を詳述しています。1935年6月、ビル・Wとドクター・ボブの出会いがAAの始まりとなり、ビルの霊的体験や12ステップの実践が回復に寄与しました。また、シルクワース博士の貢献も紹介されています。この章は、AAの歴史や回復の過程を凝縮しており、非常に興味深い内容です。

 ビッグブックは前書きから第1章の間にいくつかの章がある。

 そのなかに「再版にあたって-P(19)L1」という章があり、AA小史とも呼ばれている。ビッグブックが1939年に発刊されて後、再版されるときに書かれた文章である紙面で一部だけ紹介したい。最初に文章内でのページ表記について説明をさせていただくが、P××L○○はビッグブック(アルコホーリクスアノニマス)××ページの○○行目を意味する。また、ビッグブックには普通のアラビア数字で表されるページとローマ数字で表されるページがあり、ローマ数字のページは、アラビア数字を()でくくって表記されている。

AAグループの誕生への発火点となったのは、①一九三五年六月、オハイオ州アクロンで、ニューヨークの株式ブローカーとアクロンの医師の間に交わされた会話だった。②その六ヵ月前、このブローカーは当時オックスフォード・グループにいた一人のアルコホーリクの友人と出会った。③そのあと彼は突然訪れた霊的な体験によって飲酒への強迫観念から救われたのだった。(本文引用―P(20)L1)

 この文章に出てくるの「株式ブローカー=ビル・W」である。そして「アクロンの医師=ドクター.ボブ」だ。【①を参照】2人の出会いによって1935年6月にAAが始まった。今年の6月で86年の年月が経過することになる。なんとも長い活動である。【②を参照】六カ月前には、のちにビルのスポンサーの役割をする「一人のアルコホーリックの友人=ローランドハザード」と出会っている。この出会いの場面はビッグブックの第一章P13L2から詳細に書かれている。ビルと一緒にアルコホーリクになっていた、かつての友人との出会いで酒が飲めるとビルも期待していのだろう、しかしローランドはしらふで現れた。そして、メッセージ(自分の回復体験談)を伝え始めたのである。

 P19L11にあるようにビルも12ステップを実践し始めた。(ここにはステップ1については、あまり記載されていないがP12L3からL5までにビルのステップ1は凝縮されている)【③を参照】そしてビルは霊的に目覚めたのである。P21L3に書かれている。この体験以降ビルは飲酒への強迫観念から救われた。すなわち彼自身から飲酒への強迫観念が取り除かれたのである。これが12ステップの目指す回復である。【霊的体験によって強迫観念を取り除く】ことであり、これがステップ12の【これらのステップを経た結果、私たちは霊的に目覚め~】ゴールになっている。ジャパンマックの各施設の特徴は12ステップを回復の中心に据えていることである。

(続きの本文引用)ブローカーはまた、④ニューヨークにいたアルコホリズムの専門家で、AAメンバーにとっての聖人である故ウィリアム・D・シルクワース医学博士に大いに助けられた。博士による、初期のころのAAの話が次の章に掲載されている。シルクワース博士から、ブローカーはアルコホリズムの深刻な現実を学んだ。

 シルクワース博士はニューヨークのタウンズホスピタルの勤務医だった。多くのアルコホーリクの主治医として治療に携わっていた。【④を参照】アルコホーリクを精神的な側面(強迫観念=とらわれ)と肉体的な側面(アレルギー)の2つの特徴があり、死に至る深刻な病気としてとらえていた。BBの医師の意見には詳細に書かれている。この章で強調しているのはアルコールへの精神的な側面(強迫観念=とらわれ)だけではなく、アルコールへの肉体的な側面(アレルギー=渇望)があるということだ。アレルギーとは普通の人にはおこらない異常な反応であろう。

 アルコホーリクでない人は、飲酒を始めるとある段階で意志の力を用いて健康や翌日のことを考えていとも簡単に飲酒を中断することが出来る。ところが、アルコホーリクはどうであろうか?飲酒を始めるとどんな悪影響があることがわかっていても飲酒を中断することが出来なくなる。シルクワース博士は、普通の人にはない飲酒によって惹起される異常な反応=渇望現象としてとらえていた。

 すなわち、こういうことである。花粉症というアレルギー反応を思い浮かべてほしい。花粉症のひとは、花粉が鼻の中に入ると防御反応として炎症などがおこりくしゃみや鼻水が出るようになる。これは花粉症ではない人にはおこらない異常な反応=アレルギーである。それと同じようにアルコホーリクの身体にいったんアルコールが入ると、依存症ではない人にはおこらないアルコールへの強い渇望現象がおこって、その渇望現象は意志の力を凌駕しアルコホーリクの飲酒を継続へと誘う。この話は依存症当人にとって、今まで説明できなかったことが説明できるようになる救いの言葉となる。また、依存症者とそうではない人を隔てる大きな壁でもある。

 一部だけ紹介させていただいたが、「再版にあたって」の章には、AAの歴史やビルの回復が凝縮して書かれていて、本文と照らし合わせながら読むと大変面白い章となっている。

(文・ジャパンマック代表 岡田昌之)


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