一人暮らしのプログラムに挑むなかで、心が折れそうになる瞬間もあった。しかし、仲間の存在や職員の支え、そして自らの変化を通じて、大きな一歩を踏み出したある当事者の声をご紹介します。(「みのわマック便り」4月号より)
改めて、仲間意識を持って深く感じさせてもらい、愛をいただきました。
一人暮らしのプログラムに入り、壁にぶち当たり、直面する機会がたびたびありました。どん底まで落ちて死を覚悟したり、今後のプログラムや生活に支障を来すと、ひとりよがりの古い考え方に陥り、感情面が不安定状態で、一人になりたいとふさぎ込みがちになっていました。
しかし、仲間の配慮だったり、自分より後から来た仲間が気を使ってくれたり、仲間のトラブルにより、気を紛らすこともでき、職員によるアメとムチをいただき、つらい時でも、ずっとそばにいてくれて、「前を向きなさい。仲間の輪に入りなさい」などのアドバイスがありました。
現実は変えられないのなら、次の行動に移すしかないことに、吹っ切れた部分だったり、諦めて受け入れ、手放すところは手放した結果、何とかすべての条件を受け入れてくださり、物件も決まり、契約日の前日には大金を持ち冷や冷やした気持ちではいましたが、無事に済みました。あとはゼロからの生活なので、電化製品や日用品などのものを購入しなければならない忙しさはあります。
しかし、最終的には、アディクションに走ろうとも考えたのを踏みとどまれたのは、仲間やミーティングのおかげでもあり、ハイヤーパワーを感じさせてもらった良い体験や経験をさせてもらったことに感謝したいと思います。今後も、この経験を社会にも生かしていきたいと考えております。
(T.Eさん)
1978年6月、日本で初めて12ステッププログラムを使って依存症者の回復と成長をサポートするアルコール等依存症者リハビリテーションデイケア施設「三ノ輪MAC」として発足しました。設立者もアルコール依存症者の当事者であり、当事者による当事者へのサポートを大切にしてきました。現在も代表理事やスタッフなど、多くのスタッフは、依存症の当事者が勤めています。